| 状況 |
消費者金融からの借入が7件、利用金額が250万円、毎月の支払いがきつい、と言っている間に次の支払日はもうすぐだ。なんとか一つにまとめて月々の支払金額を減らすことができないか、など悶々と考えていた… |
| 【Aさん】 |
ある日、新聞の折込求人広告でこんな記事を目にする。
| 債務長期一本化 |
| 8年96回、実質年率1.2~2.5% |
| 800万円 即日振込 |
| 担保・保証人不要 |
| 今すぐ 0120-XXXXXX へ! |
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| ポイント |
チラシの内容は実に魅力的だ。5年もの長期にわたって返済すれば良いし、異常なほどの低金利が目を引く。そして安心の担保・保証人不要の文字。決め手はフリーダイヤル。まれに携帯もあるが…。
ここでうまい話には何とやら…と思えれば良いのだが、目先の支払いで頭がいっぱいなAさんにそんな余裕はない。 |
| 【Aさん】 |
(うーん、このままでは支払いができなくなる、ちょっと電話してみよう)
「もしもし、融資をお願いしたいのですが…」 |
| 【B】 |
「はい、わかりました。それでは審査しますのでお名前からどうぞ…」
(対応は相手を安心させるために極めて丁寧だ)
債務状況を具体的に聞いた後で、
「では5分ほどで審査結果をご連絡いたします…カチャッ」 |
| ポイント |
ここで1回、電話を切るのがミソである。相手がこちらから捕まえることができるかを確認するのである。実際に審査などはしていない。 |
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そして5分後... |
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約束通り、電話がAさんへ電話が入る。 |
| 【B】 |
「もしもし、Aさんですか。先ほどはありがとうございました。審査の結果ですが、大変残念なのですが、300万円のご融資は難しい状況です。過去に少し、支払いが遅れたことがありませんでしたか?」 |
| ポイント |
多重債務者は誰でも一度や二度は支払いを遅れているに違いないという前提でこう切り出すのだ。 |
| 【Aさん】 |
「は、はい。」 |
| 【B】 |
「Aさん、でも肩を落とさないでください。今、ご資金必要ですよね。当社ではなんとかお力になりたいと思い、当社と親交の深いお店でご融資ができるように手配しました。通常、この状況ですとどこに行ってもまず断られてしまうのですが、特別に上層部の方にお願いして話を通しましたよ…」 |
| ポイント |
このように、あたかも融資先金融会社と親交が深く、更にその会社の偉い人に話を通したと恩を着せるのである。 |
| 【Aさん】 |
「本当ですか!ありがとうございます。」 |
| 【B】 |
「ただし、これはあくまでも上層部の方とのお話ですので窓口で担当する下っ端の人にはこの件は絶対に話してはいけませんよ。下っ端の人はこの件は全く知らないし、上層部の方と当社の関係にも影響しますので。既に端末で融資がOKになるように操作されていますから安心して申し込んでください。
あと、この融資に関しては上層部の方に大変ご無理を言って通してもらっていますので、当社は全くのボランティアで構いませんが、彼へのお礼として融資金額の20%を御支払ください。よろしいですか。
」 |
| 【Aさん】 |
「そうですか、わかりました。」 |
| ポイント |
立場の弱いAさんは20%という「お礼」に高いという印象を持ちながらも、支払いのためのお金が必要なので、この条件をのんでしまう。
ここで初めて融資してくれる会社名が明かされる。 |
| 【B】 |
「では、○○金融に行ってください。そしてご融資が完了しましたらご連絡ください。」 |
| ポイント |
この○○金融だが、紹介先は債務状況によって異なる。紹介屋は業界の噂や過去の経験から審査の甘い会社、厳しい会社をランク付けし、債務状況に応じて巧みに紹介先を変えるのだ。 |
| 【Aさん】 |
「はい、わかりました。ありがとうございました。」 |
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1時間後...
【B】の言うとおり、融資が受けられたAさん、ひとまずの支払いができる安堵感で一杯になる。そして【B】へ電話をする。 |
| 【Aさん】 |
「もしもし、あの、おっしゃるとおり借りることができました。ありがとうございました。」 |
| 【B】 |
「そうですか。良かったですね。これで当面のめどが立ったんじゃないですか。」 |
| 【Aさん】 |
「はい。」 |
| ポイント |
こんな些細なフォローも忘れない。 |
| 【B】 |
「では、お約束のお礼の件ですが…、口座を言いますのでお振込ください。先方に迷惑がかからないように振込先は当社のものになりますが私が責任をもって手渡しさせていただきます。」 |
| 【Aさん】 |
「はい、よろしくお願いします。えー、20%ってことは6万円ってことですね。」 |
| ポイント |
【B】がいくら融資されたか聞く場合もあるが、どちらにしても最後の最後で【B】はいくらの融資を受けられたのかを知ることとなる。 |
| 【B】 |
「はい、それではよろしくお願いします。」 |
| 【Aさん】 |
「はい、ありがとうございました。」 |
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この後、Aさんは指定口座に6万円を振り込んだ。 |
| ポイント |
【B】は思惑通り、紹介料20%を得ることができた。当然、○○金融とは全く関係がなく上層部へお金が手渡されることも決してない。【Aさん】はまんまと紹介料をだまし取られたのだ。
非常に問題なのは 【Aさん】が騙されたという感覚をもっていない点である。この理由として、
・ 非常に巧みに話が展開される
・ 自分の立場ではこれくらいの手数料(お礼)は仕方がないなどと妙に納得してしまう
・ ひとまず支払いのめどが立ったという安心感
などが挙げられる。が、 |
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これはれっきとした犯罪行為である。 |
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ただ、この紹介屋、頻繁に組織名(屋号)や電話番号を変えるため、犯罪としての立件は極めて難しいのが現状だ。くれぐれも引っ掛からないように気をつけてもらいたい。 |